恋敵手(ライバル)現る!?
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まあ、今日は白粉臭くないから接近戦もつらくないや───そんなことを思いながら腕を背中まで回すと、頭の上に声が降ってきた。
「楠の骸は、ちゃんと埋葬したからな」
意味がよくわからなくて黙っていると、
「試し斬りには使ってねぇから」
───ああ、そうだった。
【間者の遺体は、刀の試し斬りに使われるんどす】
楠くんの声が耳の奥に甦った。
ひょっとしたら、彼があたしに近付いたのは、情報源として利用するためだけだったのかもしれない。
【のぞみはん!】
可愛らしい笑顔が瞼の裏に映る。
たとえ、そうだったとしても、やはり彼を憎むことはできなかった。
「………、ありがとうございます」
「許してくれるか?」
「────え?」
見上げると、困ったような土方さんの顔があった。
「お前ぇ、言ってたろ。楠を斬ったら俺を許さねぇ、って」
「───、ああ、」
でも、それは───、あたしなんかに許してもらわなくてもいいんじゃなかったのか。
黙っていると、土方さんはあたしの手を引いて立たせた。
「許してくれ」
頭を垂れた土方さんに驚いて、あたしはアタフタした。
「ゆ、許すも許さへんも、楠くんは事実間者やったんやからしょうがないやないですか!」