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「さらわれて、今頃は両腕を落とされてたっておかしくはなかったんだぞ」
あの時感じたヤバイ感じは、それだったのだろうか。
けど、あたしなんかさらったって、大した情報は得られない。
そう判断したから、あたしを見逃したんだろう。
「それを言うんやったら、土方さんが身請けしようとしたはる太夫さんの方がヤバイんとちゃいますか?」
あたしはムスッとして言った。
「───は?」
土方さんがあたしを横目で睨み付けた。
「どういう意味だ?」
にぶいオッサンやな、と思いながらあたしは続けた。
「あたしなんか、手紙に書いてあることも八割がたしか分かりませんし、人質の価値もないですけど、
ご執心の太夫さん相手やったら口も軽なって、ベッドの中でペラペラなんでもかんでもしゃべったはるんでしょうから、人質としての価値が高いやないですかて言うてrるんです。そんなことも分からんのですかっ」
(しまった───また叩かれる!)
最後の一言は余計だったと後悔して身を竦めた。
だが、落ちてきたのはゲンコツじゃなくため息だった。
ちらりと顔を盗み見ると、土方さんの視線に呆れた色が混じっている。
黙っていればいいのに、土方さんの態度にカチンときたあたしは、またくどくどと説明を始めてしまった。
「そやから、あたしが女中になるのを断ったおかげで身請けの話がお流れになっちゃったかもしれませんけど、休憩所なんか持ったら、絶対に襲撃されて大事な大事な太夫さん誘拐されますよって言うてるんですっ」