no choice
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
意識が薄れていく。
今にも襲ってくるだろう痛みに、先に意識のほうが耐えられなくなった。
景色がぼやける。
まるで異界に吸い込まれるように、ぐらりと身体が傾いた。
(─────!)
刹那、急に現実に引き戻された。
強い力が、あたしをぐいと前に引いたのだ。
そして、ふわり、とよく知っている匂いに包まれる。
(───土方さん、)
もう安心だ───痺れるような安堵感を感じたその時、鋭い風切り音を聞いた。
重いものが倒れたような鈍い音に続いて、誰かの叫び声が響いた。
「土方さん!!」
(───左之さん?)
「あんた、大丈夫かっ」
左之さんの声が悲鳴のように鼓膜に響く。
再び、全身総毛立ったあたしの耳元に、
「ああ、なんともない」
土方さんの柔らかい声が身体に響いてきた。
駆けつけた左之さんの向こう側に、足の裏をこちらに向けて仰向けに誰かが倒れているのが見えた。
霧に隠れて足先しか見えないが、楠くんに違いない。
あたしの視線の先に気付いたのか、「見るな」と土方さんがあたしの頭を胸に押し付けた。