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「詰め腹でも切らされる気分だな」
後で掃除をしやすいように白い敷布が縁側に敷いてあるので、なるほど【切腹シーン】のようでもある。
一くんの笑えない冗談に振り返ると、隣に座った林さんが案の定苦笑いを浮かべていた。
「いえ、私は首を打たれる気分ですよ」
意外と意気投合している二人を、あたしは少し呆れて眺めた。
一くんたちが終わっても御倉さんと荒木田さんはまだ将棋を指していた。
「よし、中休みだ」
「拙者の番からですぞ。月代を当たりながら次の一手をじっくり考えるとしよう」
二人は言って立ち上がり、敷布の上に座った。
いよいよサカヤキだ!
一くんと林さんが、御倉さんたちに代わって将棋盤を挟んで座った。
「斎藤先生、あと数手で詰みですよ」
御倉さんが振り返って言った。
「数手やって、一くん。わかる?」
一くんは、手駒を盤面にパチリパチリと打ち付けて難しい顔をしている。
「数手ですって、よくお考えなさいまし」
御倉さんの言い方にあたしが笑うと、一くんは憮然として言った。
「早く八木邸へ帰れ」
「一くん、よくお考えなさいまし」
「楠」
一くんが低く楠くんを呼んだ。
楠くんは慌ててあたしの手を引く。
「のぞみはん、行きましょ」
楠くんにとっては、上官である一くんの命令は絶対である。
仕方なく、あたしは歩き出した。
「庭を回っていきましょ」
楠くんはあたしを先導した。