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縁側の奥に続く六畳間では数人がくつろぎながら順番を待っている。
その中に一くんを見つけた。
将棋を見物しているようだ。
「あそこで将棋してる人って、昨日一緒に出かけた人らやんな?」
「あ、はい。荒木田さんと、御倉さんです。行ってみましょか」
あたし達は、部屋に上がり込んで、将棋盤を覗き込んだ。
向かいに座っている一くんが、あからさまに嫌そうな顔であたしを睨み付けてくる。
「こんなところで何をやっている」
「見物しにきてん、チョンマゲ結うとこ」
「別段珍しくはないだろう」
「珍しいねん、あたしには」
「部屋へ戻っていろ」
「ええやん、別に危なないやろ。一くんも林さんもいるし。
それにほら、そこの【おしゃべり剣士】も結構強いにゃろ?」
総司くんを指さす。
一くんの隣にいる林さんが微苦笑を浮かべた。
将棋を差している一人が、「のぞみ殿ですな」と声を掛けてきた。
「はい、男の趣味がサイアクな山本のぞみです。どうぞ、よろしく」
「荒木田です」と、なかなか見栄えのする彼は折り目正しく頭を下げた。
「案外、気さくな方でござるのですな」
もう一人が一くんに囁いた。
一くんは、むっつりとしたまま答える。
「相手になるな。馬鹿がうつるぞ」
御倉さんは笑うのを堪えて顔をしかめた。
あたしは、そもそもの目的である職人技を盗もうと縁側まで移動した。
綺麗に結い上げられていく新八さん髪を見詰める。
「のぞみちゃん、俺があんまりいい男だからって、そんなに見詰められちゃ照れるぜ」
「ほんま、飲んでフンドシ一丁にならへんかったら、すっごいええ男やのになぁ」
あたしはため息をついた。
「なんだよ、のぞみちゃんも喜んでるじゃねぇかよ。なぁ、総司?」
「知らない」
新八さんや左之さん、平助くんと違って、総司くんは意外と下品なことをしないのだ。