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「髪結い?」
「へえ、【みんな小綺麗にせぇ】て言うて、土方さんのお言いつけらしいんどす」
確かに、前川邸のみんなは良く言えばワイルド、率直に言えば不潔である。
剣は滅法強いが身なりに無頓着という人も少なくない。
髪もボサボサに近い人も。
「もう来たはんのん、髪結いの人」
「へぇ、私がお連れしましたので」
どんな風に髪を結うんだろう。
少し興味がある。
「こっそり見に行ってもええかな」
「へぇ、ほんなら、私がお供します」
ということで、あたしは楠くんと並んで前川邸の裏門へと向かった。
「………なぁ、あれからなんも無かった?」
あたしが訊くと楠くんはきょとんとして、
「あれから?」
「うん、ほら、こないだ大福食べてた時」
「ああ、」と楠くんは笑む。
「へぇ、なんもおへん。
のぞみはんこそ、酷い事されたはりませんか?」
「───うん、あたしはどうもないけど」
楠くんは安堵したようににっこり笑った。
「それより、松輔さんとこまた行きましょうよ。
のぞみはんに会いたい、言うたはりましたよ?」
あれからまた楠くんは松輔さんに会ったのだろうか。
「あんな、」
あたしは楠くんの腕を引いて足を止めた。
「逃げたら?」
「───へ?」
「知ってるやろ?いっぺん目ぇつけられたら終わりや。
松輔さんとこに匿ってもらい」
「何言わはるんどす?わては何にも悪い事してまへんよ。
───さ、行きましょ」
「そやけど、」
楠くんに手を引かれて、あたしは前川邸に向かった