忍び寄る影
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くねくねと身体をくねらせると、林さんは小さく笑って「承知しました」と応えた。
「では、私ら、ちょっと急ぎますので」
林さんは愛想良く言って、坊城通を上がって行った。
一くんは、忌々しそうにあたしを一瞥していく───笑ける。
「林さん、か。覚えとこっと」
ぴょん、と飛び上がったあたしに、どん、と背後からぶつかってきた輩がいる。
「わーっ、と、と、と、とっ!」
辛うじて踏みとどまり、後ろを向くと、指を差して笑っている不届き者がいた。
「もう、何すんねんさ!」
総司くんだ。
「君こそ何やってるんだよ、もう日が暮れるじゃないか」
「うるさいなぁ、もう。 すぐそこやん!」
【すぐそこ】でも、日が落ちれば危険な事くらい、あたしも理解している。
「もう、なんで街灯つけへんのんよ。 ほんま、不便やなぁ」
「がいとう?」
「灯りのこと。
道沿いに灯が点々と灯ってたら、一々提灯持って歩かんでええし便利やろ?」
「ああ、島原みたいに」
「そうそう」
総司くんは、「ふうん、そうかなぁ」と空を見上げている。
「でも、こんな田舎道、暗くなったら誰も歩かないし、
月明かりで十分なんじゃない?」
「月とか、めっちゃ暗いし」
くすくす、と総司くんは笑った。
確かにこっちは、怖いくらい星空が美しい。
でも、それはそのくらい暗すぎるということだ。