忍び寄る影
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それを無視するように一くんがあたしに厳しい口調で言った。
「早く中に戻れ、すぐに陽が落ちるぞ」
「なによ、えらそうやな」
「副長が心配するだろう」
「その副長は島原に行ったはりますけど?」
そう、盛大に口答えした憎たらしいあたしの事なんか、心配するはずがない。
いっそのこと、長州にバラされれば清々するのに───とでも思っているだろう。
(オマエが出て行けっちゅうねん!)
「ほら、さっさと行きや!迷子なるで」
しっしっ、と手を振ると一くんはいかにも嫌そうに顔をしかめた。
「斎藤さん、行きましょか」
林さんが苦笑して促す。
その横顔は、どこか見たような面影があって、あたしは小首をかしげた。
「林さんて、ご兄弟とかここに入ったはります?」
林さんは、ニッコリ笑うと、
「ええ、従兄が」
「へえ、……あたしの知ってる人ですかね?」
「ええ、多分」
「へー、誰やろ」
「山崎丞、知ったはります?」
あたしは、パチンと指を鳴らした。
「あ、なるほど! 山崎さんに似てるんや!
どうぞ、よろしくお願いします」
あたしは、深々と頭を下げた。
一くんが小さく舌打ちしたのが聞こえる。
「なんなん、ハジメちゃん」
「お前こそ、さっさと中に入れ」
あたしは無視して林さんに言った。
「山崎さんによろしく言うといてください。
あたし、めっちゃ好きなんですぅ」