忍び寄る影
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「じゃ、俺たちゃ行ってくるからよ。
お利巧にしてるんだぜ」
新八さんは子供にするみたいに、あたしの頭をぽんぽんと叩いた。
新八さんの後についていく楠くんの背中を、あたしは一抹の不安を感じながら見送った。
(新八さんが一緒なんやもん、大丈夫やんな………)
いや、一緒だから危ないということも十分考えられる。
処刑は前川邸でのみ行われている訳ではない。
新見さんのように、祇園のお店にいる時に急に切腹させられた例もある。
だとしたら────楠くんだって十分危ないはずだ。
「楠くん!」
無意識にあたしは名前を呼んでいた。
もうずいぶんと距離がある。
だが、楠くんは振り返って手を振った。
(どうしよ、追いかけたほうがええかな………)
悩んでいると、一くんが前川邸から出てきた。
また、この間の人と一緒だ。
「一くんらも飲みに行くん?」
「───も?」
「新八さんら、今出ていかはったから」
「ああ、そうだ。どっちへ曲がった」
あたしは右を指さしながら、
「お店聞いてへんかったん?ほんま、どんくさいなぁ」
一くんも行くなら、本当に宴会なのかもしれない。
楠くん一人を殺すのに、二人の剣豪は必要ないだろう。
一くんの隣の人がニッコリと笑った。
「あ、どうも」
小さく会釈すると、「林です」と自己紹介した。