忍び寄る影
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思わず声を荒らげた土方を、斎藤は薄い笑みを浮かべて見ていた。
「気付いておいでのはずです」
土方は、フンと腕を組んだ。
分かっている───斎藤が指摘する通りだ。
(俺はあいつに心を許し過ぎている………)
土方は苦笑いを漏らした。
「分かってる、それ以上言うな」
彼女がすでに土方の急所になっていることも心得ている。
「楠のことは監察に調べさせる。
お前ぇは、荒木田と御倉に張り付いとけ」
「承知」
斎藤は小さく頷いてから、何か気付いたように顔をあげた。
「のぞみと早く仲直りしてもらわないと、皆が疲弊しています」
「───別に仲たがいなんかしちゃいねぇが、なんだ?」
「いえ、───最近土方さんへの悪態が度を越えて酷いので」
「そりゃあ聞き捨てならねぇな」
土方は苦笑いを浮かべる。
「太夫を身請けされるんで?」
「───、いや、なんでだ?」
寝耳に水の質問に土方は眉をひそめる。
斎藤は小首をかしげたが、小さく笑ってこう答えた。
「なら、あいつの勘違いなんでしょう」
忍び寄る影<3>/終