忍び寄る影
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【楠には気をつけろ】
やはり、楠くんは目をつけられているのだ。
(言うたげな………)
※言ってあげなきゃ……
そっと襖から後ずさりすると、背中が何かにぶつかった。
(───?)
(あれ、何?)
振り返ったあたしは大声を上げそうになって、その口を手で塞がれた。
(総司くん!!)
「何やってんの!
こんなことしてるって土方さんにバレたら、君まで目をつけられちゃうよ?」
手を引かれて、あたしの部屋まで移動する。
襖を閉めると、総司くんは声をひそめたまま言った。
「だから言ったろ、楠には気を付けろって」
「なんやさ、コソコソ嗅ぎまわってんと、正面から来いっちゅうねん!」
総司くんの冷たい視線が上から落ちてくる。
「正面から行っていいんだ?」
「正々堂々と訊けばいいやん」
「ふん、馬鹿じゃないの」
「はぁっ?アホ言うもんが、アホ───」
また口を手で塞がれて、あたしは総司くんの胸を押した。
「馬鹿、大きい声を出すなってば」
首を振って手から抜け出し、あたしは声を落として言った。
「あたしが訊いてみる。間者と違うって証明してみせる」
「無理だと思うけど」
総司くんはせせら笑う。
こうなってしまったら、間者であろうがなかろうが、ここにいるのは危険だ。
───機を見て、抜けさそう
そう思いながら、総司くんに背を向けた。