忍び寄る影
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「【新選組に知り合いができて、心強いと喜んでいる】とも」
「その【マツスケ】とやらは、どこのどいつだ」
「楠の奉公先だった店の主人を装っていますが、どうやら、長州の桂小五郎のようです」
土方の顔が強張った。
「あいつ、桂と会っていやがったのか」
「そのようです」
盛大に息を吐き出した土方を斎藤は黙って見詰めた。
「よく、無事で帰ってきたもんだ………」
「泳がせているのかもしれません。
あいつが副長の一番の側近だということは、楠もよく知っていますし」
土方がちらりと斎藤を見た。
「あいつが俺の?」
少し怒ったように言う。
「無礼を承知で申し上げれば、副長はあいつに甘い。
公用の手紙の清書を任せるなど以ての外───」
「あいつが、それを口外するって言いてぇのか!」
襖を隔てて聞こえてきた土方さんの怒鳴り声にあたしはびくりと身体を揺らした。
まさか、あの会話を一くんに聞かれていたとは───。
(しかも、いちいち土方さんにチクリにくるとか、いやらしいやっちゃ………)
あの足音は一くんのものだったのだ。
だとしたら、それは偶然通りかかったものだったのか、それともそもそも【盗み聞き】するつもりで隠れていたのか。