ウソか誠か
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「あの、………」
「うん?」
【芹沢さんを、殺したんですか?】
喉元まで出た言葉はすんでのところで押しとどめた。
「斬り合いになるんは、やむを得ないからですよね?」
土方さんは穏やかな目であたしを見ている。
「殺すんが目的とちゃいますよね?
それは、やむを得ない結果、ですよね?」
「そうだ。………ようく、分かってるじゃねぇか」
なら、
「法度は?」
「何が言いたい」
「法度は、荒っぽい隊士さんらをまとめるための規則ですよね?」
(都合良く処刑するための口実じゃないですよね?)
土方さんは、困ったように笑ってため息をついた。
「武家───まあ、上士の奴等だな。
奴等は、武士としてこうあるべきだという姿を幼いころから厳しく躾けられる。
連中は法度に縛られなくとも【こうあるべき】【こうすべき】という武士の姿ってぇものが身に染み付いてやがる。
俺たちの中にも武家の出の奴はいるが、大抵は下士の連中だ。
俺みてぇに侍の子じゃねぇ輩も大勢混じってる。
そいつらは、侍みてぇな恰好してるだけで、性根は百姓、商人、はたまたチンピラってぇ訳だ。要は、偽物だな。
上士なら、どんなにひもじくたって盗みをはたらいたりはしねぇ。
だが、俺たちゃどうだ。
お前ぇも知ってのとおり、平気で商家に押し込んで金品を強奪する奴がいる。
飲み代を踏み倒して豪遊する奴がいる。
ほら、お前ぇが俺によく言うじゃねぇか、【お里が知れる】ってぇやつさ。
そんな奴等を法度をもって躾けてるのさ」