ウソか誠か
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総司くんは自分の羽織をつまみあげて、
「ああ、これ?」と、何でもないことのように言った。
「返り血、よけそこなっちゃってさぁ」
まるでバケツか何かで、ぶっかれられたみたいに染まっている。
「怪我、してへんの?」
総司くんはケラケラと笑う。
「誰に向かって訊いてるんだよ。
ほら、着替えるから出てってくれる?おしっこくらい一人で行けるだろ?」
あたしは無言でうなずいて、総司くんの部屋から出た。
だが、部屋には戻らずに土方さんの部屋の前に立つ。
「───土方さん?」
意を決して声をかけた───が、返事がない。
返事がなければ、いつもなら入る。
でも、今は───。
(土方さんも血まみれやったらどうしよう………)
「土方さん?」
もう一度、声を掛けた。
気配が動いて、障子が10センチほど開いた。
「何だ」
ぶっきらぼうな声が頭の上に落ちてきた。
嫌な臭いはしない。
「───、あの、えと、」
もごもご言っていると、障子がさらに開く。
「入れ」
土方さんの手に背中を押されて、けつまずくように中に入った。
部屋の真ん中には、すでに布団が敷かれている。
夕飯の後、あたしが敷いたものだ。
土方さんは、すでに着替えを済ませたのか、こざっぱりとした綿の着物を着流していた。