ウソか誠か
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「へえ、そやけど、半ば邪魔になった隊士を都合よく処分するつけるための規則みたいなもんどすし、気ぃつけてても土方先生に睨まれたらおしまいどすよって」
ぎょっとしてあたしは楠くんを見た。
【邪魔になった隊士を都合よく処分するつけるための規則】
そんなことあるわけない。
だったら、芹沢さんたちこそ、とうに切腹になっていたはずだ。
「ぎょうさんの隊士が切腹とか斬首になったはります」
「そうなのかい?」
「楠くん!」
かつての主人といっても今は部外者のおじさんに、そこまで言って良いものか。
「───あ、すんまへん。つい、グチこぼしてしもて………」
「何、構わないさ。
私がその土方さんに告げ口することはあり得ないのかだから」
そして、松輔さんは優しい笑みをあたしにも向けた。
「あなたも、何か困ったことがあれば私に何でも話してください。
力になれることがあるかもしれない」
楠くんはかつての主人を自慢するようににこにこと笑みを浮かべた。
(───そうか、)
かつての【主人】───八木さんちと照らし合わせてみると少し変だ。
主人と使用人の間には、見えない壁がある。
だが、この二人の間にはそれが【無い】、あるいは【非常に薄い】感じがするのは気のせいだろうか。
あたしが感じた違和感は、きっとそこにある。
急に酔いが冷める感じがした。
(あたし、ヤバイことになってない?)
スマホを持っているのに、それで助けを呼べないのがなんとももどかしい。
ここに来た日以来、初めてこの場を逃げ出したいという衝動に駆られた。