ウソか誠か
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「そんなもん、表向きに決まってるやないですか!」
「のぞみ殿、」と楠くんがあたしの袖を引いたがあたしは続けた。
「表向きそういう顔しとかんと、酷い目ぇに合わされるからですよ」
松輔さんは商人らしく、愛想の良い笑みを浮かべた。
「なるほど、そういうことでしたか。
それは、私も覚えておいた方が良さそうですね」
松輔さんはお銚子をあたしに突き出す。
「さすがは新選組のお方は、事情に精通していらっしゃる」
愛想良く引き下がられては、こちらもこれ以上は言えない。
杯に並々と注がれたお酒を、あたしは一息に飲み下した。
「………すいません、色々言いまして。
そやけど、松輔さんもお商売したはるんやったら、気ぃつけはった方がいいですよ。
あいつら、ほんま、えげつないですから」
「覚えておきましょう。ささ、もう一献」
柔らかい笑みで言われて、あたしはおずおずと杯を差し出した。
「そやけど、こういう噂もあるんどす。
芹沢はんらを殺さはったんは、内部の犯行やて」
びくっとして、あたしは楠くんの顔を見た。
彼は涼しい顔で料理をつついている。
「ちょっと、何言い出すん。そんなこと、あるわけないやん」
「厳しい規則があると噂には聞いていますが」
松輔さんは苦笑を浮かべた。
「小十郎も気を付けなければいけないよ」
言い含めるように、やさしい表情で言った。