迷い込んだ路
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(──なに?)
「そうだよね、女の子が裸同然の格好で外を歩くのはどうかと思うけど」
あたしは溜め息を落とす。
いつまでこのお芝居は続くんだろう。
「あの、──面白いですけど、そろそろもういいです。友達も待ってるやろうし、戻らないと」
二人は顔を見合わせ、【ポニーテール】が口を開いた。
「なら、そこまで送ってやろう」
(なんなん、この人ら……)
あたしは胸の中で舌打ちした。
サービスのつもりなんだろうが、少し面倒くさい。
(地元民のあたしなんか放っといて、観光客にしたげたらええのに……)
そう思いながら、あたしは少しぶっきらぼうに訊ねた。
「えーと、四条通ってどっちですかね」
少し方向音痴のあたしは道を逸れると、東西南北が分からなくなる。
「四条なら、こっちだ」
【ポニーテール】があたしの背を押した。
ここはどの通りだっただろう。
小さめの鉾が置かれた通りにも、人がひしめき合っていた。
ただ、その日が祇園祭だったために、あたしは気付いていなかった。
行き交う人々の装束が、現代のものと違っていたことに──
迷い込んだ路/終