ウソか誠か
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土方さんがお梅さんを殺したなんて信じたくない。
長州の犯行に見せるためにお梅さんを殺したなんて。
お梅さんに顔を見られたから、口封じに殺したなんて、絶対に嫌だ。
「そうどすな、………かんにん!あて、いらんこと言うてしもた」
「そうえ、びっくりしますやんか!」
「こら」とゲンコツを振り上げたスエちゃんに、リクちゃんは小さく苦笑いする。
あたしを怒らせてしまってはいけないと、二人ともわきまえている。
「ほらほら、せっかくのお昼ごはんやのに。なんか楽しい話しよ!」
あたしはそう言ったものの、お梅さんの言葉が耳の中に甦った。
【そやけど案外ここの方が、郭(くるわ)なんかよりも、ずっとこわいとこかもしれまへんえ】
お梅さんは気付いてたのだろうか。
芹沢さんが狙われていたこと。
自分も助からないことを───。
土方さんの言葉が思い出された。
【解散なんてさせてたまるか】
【俺に任せておけ】
あれは、こういう意味だったのだろうか──。
「のぞみ殿」
楠くんの声に勝手口を見ると、昨日のように、また彼が顔を覗かせていた。
「お食事中でしたか、」
「ううん、もう終わる。なんか用事やった?」
「用というほどでもありませんけど、出かけませんか?」
「───あ、ええよ」
土方さんは留守だし、うるさく言う人はいない。
「後片付けはやっときますよって」
スエちゃんが言って、あたしの背中を押した。
重苦しい空気の中、丁度あたしを追い出せてほっとしているのかもしれない。