1/100のオンナ
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それそれ、それがムカつくっちゅうんです。くずきりですよ、くずきり!
1回島原に行くお金で、くずきり何杯食べられんです?」
「さぁ~、まあ、少なくとも百杯は下らねぇだろうなぁ。
土方さんの敵妓(あいて)は太夫だからな」
「そうでしょ!?
3日に1回食べるとしたって、それだけのお金使うのに一年、毎日食べたって3ヶ月以上ですよ?
それを1晩で使うて、どうゆうこと!?」
左之さんも楠くんも半ば呆れ顔だ。
「わかった、わかった。今度俺から言っておいてやるよ。
のぞみが三日に一度は葛切り食いてぇって言ってたって」
「そういうこととちゃいますって、だからぁ!
【こいつは葛切りぐらいでええやろ】っていう考え方がムカつくんですっ」
左之さんはくすくす笑っている。
こうなったら、意地でも出て行ってなんてやるものか。
出て行けば、土方さんの思うつぼ。
きっと、例の太夫とやらを屯所に連れ込むつもりに違いない。
「そっか、女の人を喜ばせるにはくずきりご馳走するくらいやあかんのどすね………。
今の私には、難しい問題どすなぁ」
あたしは、慌てて楠くんの顔を見た。
本当に残念そうに眉を下げている。可愛い。
「ちゃうねん、楠くんやったら、くずきりで十分嬉しいねん」
「この間まで、お前ぇだって喜んでたじゃねぇか」
「そやから気ぃ付いたんです!
毎晩くずきり100杯以上のお金使う人が、あたしにはたった1杯のくずきりって、おちょくっとんのかって話ですよ」
「やれやれ、」
左之さんはため息をついている。
「あー、アホらし。
やめ、やめ!話題に出すんもアホらしいわ」
「そうだ、気晴らしに矢場にでも行ってみるか?」
「やば?」
「矢を射る遊びさ」
「あ、やるやる!あたし、シューティングゲームは結構得意やねん」
「しゅう?」
楠くんが小首をかしげる。
「あ、えーと、撃つこと?バーンって」
あたしは、指でピストルを作って撃つ真似をした。
1/100のオンナ/終