1/100のオンナ
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「わてが市中を案内してても、しょっちゅう冷や冷やしてます」
「なんだ、小十。言うじゃねぇか」
「そうかて、相手はきっぱり断ったはるのに、ずかずか上がり込んだりしはるもんやから───」
「だってよ、」
左之さんはあたしを見て苦笑いした。
「言い方が回りくどくて分からねぇんだって」
「お待ちどうさんどした」
団子が三皿縁台に置かれた。
「おおきに」
楠くんが笑みを浮かべると、ようやくおばちゃんはにっこりと笑った。
「あの、───」
あたしは思い切って、声を掛けてみた。
「へえ、」
「あの、才谷さんて、最近も来たはります?」
「ああ、才谷はんどすか?
そう言うたら、最近お見えになってしまへんなぁ」
ほっとしたような、がっかりしたような複雑な気持ちになった。
「ツケがたぁんと残ってますさかい、また来てもらわんと困りますんどすけどなぁ」
おばちゃんはからからと笑った。
「才谷さんて?」
楠くんが訊いた。
「うん、前に、ここであたしに団子おごってくれはったオジサン」
「へぇ、」
「土方さんに置いてきぼりくって、さ迷い歩いてたあたしに団子をご馳走してくれはってん」