1/100のオンナ
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ぶらぶらと行く当てもないままに歩いているふりをして、あたしは例の団子屋の前を通るように誘導した。
(会えるかな?)
会えたらいいな───そんな風に思いながら団子屋の前までやってきた。
当然ながら、才谷さんの姿はなかった。
まあ、そうそうそんな偶然はないだろう。
「なんだ、のぞみ。団子が食いてぇのか?」
左之さんが訊いてきたので、思わず「うん」とうなずく。
以前のように店の前の縁台に三人並んで座った。
注文を取りに来たのは、確か才谷さんに【ちゃんと金を払え】と言っていたおばちゃんだと思う。
左之さんが「団子三皿」と頼むと、ため息交じりに「へぇ」と返事して店の奥に入って行った。
「なんか、愛想悪いですね」
そう言うと、左之さんは苦笑した。
「京の人間じゃねぇって分かると、ああだ」
なるほど、確かに、現代でも京都の人は少しそんなところがあるような気がする。
「そんなことないんですけどね、」
楠くんは苦笑いした。
「大有りだぜ」
楠くんとあたしは顔を見合わせてくすくす笑った。
「仕方ありませんよ。
だって、江戸のお人は言葉の裏の意味を読みませんから」
ああ、なるほど。
現代ではそうでもないが、「(家に)上がっていき」と言われても、最低でも三回は断らないといけないと聞いたことがある。