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「なんと申しますか、その、のぞみ殿ならどれがお似合いになるかな、と考えていたら………」
「あたし?」
「はい、髪を結わはったら、何が似合わはるかな、思て………」
「色気づいてんじゃねぇよ」
笑いながら、左之さんは楠くんのおでこを指で押した。
「だが、そうだなぁ、………どんなのが似合うかなぁ」
「あ、これなんかどうでしょう?」
楠くんが指差したのは、布で花を作った可愛らしいかんざし。
「───ああ? いや、そりゃねぇだろう」
はいはい、そうです。
あたしには、そんな可愛いのん似合わへん。
「のぞみは凛々しい顔立ちだから、もっと渋めの簪の方が似合うんじゃねぇか?」
左之さんは一本のかんざしをつまみ上げて、あたしの髪に挿した。
「───あ、確かに。凄く洒落ていますね」
「え、どんなん?」
引き抜いて見ると、銀色の金属でできた簪で、透かし彫りがとても美しい。
「きれいやけど、あたしには大人っぽすぎませんかね?」
「十分、大人だろうが。そろそろ行き遅れだぜ。
土方さんも、それを気にしてんじゃねぇのかな」
左之さんが苦笑する。
「ひっど、左之さん。えーもん、独身貴族楽しんだるもん」
───確かに。
政変の時に八木さんと交わした約束に、新選組に何かあったら、あたしをちゃんとした家に嫁がせるように───というのがあった。
【ここを出ろ】は、そういう意味だったのだろうか。
───結婚?
───誰と?
そう思うと、少し胸が息苦しくなった。