賽は投げられた
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「はい、綺麗なった」
もう一度手を合わせて、あたしは再びお梅さんの身体の上にムシロを被せた。
巾着は、お梅さんのお腹の上に置いた。
あの世でも、いつでも紅がさせるように。
お梅さんから離れたあたしを先導するように土方さんが一歩前を歩く。
「余計な事しやがって」
あたしは立ち止まった。
「なにが余計なんです?」
土方さんも足を止めて、半身になって振り返る。
「いいから、来い」
再びあたしの手首を掴む。
「お梅さん、いつお棺に入れたげはるんです?今夜、お通夜なんでしょ?」
間があって、土方さんはそっけなく言った。
「梅は、実家に引き取ってもらう。
新選組の者じゃねぇのに、俺たちが葬式出すってのもおかしな話だろう」
「───え、ちょっと待ってください。
家族が引き取りに来るまで、あのまんまなんですか?」
無言なのは肯定のつもりなのだろう。
「ひどくないです?親御さんが見たら、なんて思うか───」
土方さんは、ふん、と鼻で笑う。
「娘を女郎屋に売った親がか」
「芹沢さんと一緒に、お墓に入れたげたらええのに……」
「芹沢先生は新選組局長だぞ。女郎を一緒に墓に入れられるものか」
あたしは冷めた目で土方さんを見た。