賽は投げられた
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「あんたの手ぇは、人殺しするためにあるんちゃう。
あんたの手はな、お米作って、野菜育てて、人を生かすためにあるんやで」
「な、」と五平の目を覗き込む。
「のぞみ………」
五平の瞳がわずかに揺れた。
「───ええこと言うなあ、のぞみは!」
ずず、っと鼻の下を袖でこする。
「のぞみやったら、わての嫁はんにしたってもええくらいや」
あたしは、勝ち誇った顔で総司くんを見た。
「ほうら、聞いた?」
「五平、のぞみ君を女房にするのだけはやめといた方がいいよ」
総司くんが嘲笑を浮かべる。
「なんでやねん、沖田………あ、ひょっとして、お前!
のぞみを狙ろてるんちゃうやろな!?」
「───はあ、なんで僕が!?ちょっと冗談きついよ、五平」
総司くんがムッとする。
「絶対そうやろ!お菊っちゅうもんがありながら、なんちゅう浮気性なやっちゃ!」
「───こ、こらっ!」
菊ちゃんが真っ赤になって、五平の着物を掴んだ。
五平くんが、背中にあたしと菊ちゃんをかばう。
「のぞみ、お菊。 この男、気ぃつけなアカンで」
「五平、心配せんかて、こっちから願い下げや」
あたしはそう啖呵を切ったところで電池切れになって、再び帯を枕にして横になった。
「なんや、のぞみ。今日は、ほんまアカン感じやなぁ」
五平は苦笑した。
賽は投げられた<6>/終