賽は投げられた
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「のぞみ、大丈夫なんか?」
「うん、あんまり大丈夫じゃないけど、おにぎり食べてたらマシになってきた」
「沖田、のぞみをいじめんなよな」
「えー、なんで僕だよ。いじめられてるのは僕の方なのにぃ」
「ええ気味や」
へへん、と五平は笑う。
「なあ、沖田。わてに剣術教えてぇな」
「五平はん、沖田はんは子供に剣術教えるほど、お暇やおへんよ」
菊ちゃんがたしなめる。
「ええやんなあ?………それか、あれか?
百姓のわてには教えられへんいうことか?」
「そんなことないよ。
土方さんはもともと農家の息子だし、僕はそこへ剣術を教えに行ってたんだから」
「ほんまか!?ほな、わても隊士になれるかなあ?」
「五平はん」
嬉しそうに小躍りする五平に菊ちゃんがぴしゃりと言った。
「何言うてはるん。あんたは、跡取り息子やないの」
「そうかて、百姓なんか。
わても世のため人のために、なんかしたいんや。
悪い奴を斬って斬って斬りまくりたいんや!」
「五平、」
五平がビクッとしてあたしを見た。
「な、なんやねん………」
「あんな、人をなんぼぎょうさん殺したかて、世の中はようならへんよ」
「そやけど、」
「人を一人殺したら、その後ろに何人の家族がいる?何人から恨み買う?
人殺しても、ええことなんかあらへん。それより──」
あたしは、五平の手を取った。