賽は投げられた
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総司くんにおぶわれて八木さんちの門を出ると、丁度前川邸の裏門から出てきた楠くんに出くわした。
彼は、驚いたような顔であたしを見上げてきた。
「のぞみ殿、いかがなされましたか?!」
「どうもなされていないよ、二日酔いなだけさ」
総司くんが呆れた調子で答える。
「それはお気の毒………」
楠くんは駆け寄って来て、あたしの背中をさすった。
「何か欲しいものはありませんか?
何でも私に言いつけてくださりませ」
可愛らしい顔を心配そうにゆがめて、あたしの顔を覗き込んでくる。
(はぁ~~、【掃き溜めに鶴】っていうんはこういうんを言うんやろうな………)
そんなことを思いながら、人形のような頬を見詰めた。
「うん、今は食欲もないし。ありがとう………」
「では、また何か欲しくなられた時に、お声掛けくださりませ」
そう言って、楠くんはあたしたちについて壬生寺までやって来た。
まだ子供たちは来ていないので、境内は静まり返っている。
あたしは、お堂で下ろしてもらうと、さっそくゴロンと寝転がった。
「う~~、しんどい~」
芹沢さんが亡くなったというのに甚だ不謹慎だとは思うけど、気持ち悪いものはどうしようもない。
「今夜がお通夜で、明日はお葬式を出すから」
総司くんは淡々と説明した。