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乱暴に肩を揺すられて、はっと覚醒した。
気分は最悪。
(………しんどい、)
身体が重たくて、すぐには動けない。
なかなか起き上がらないあたしにしびれを切らしたのか、再度肩を掴んで乱暴に揺する。
(………もうぅぅ、誰やねん)
重い瞼をもちあげると、「──あ、?」
「ハジメくん!?」
(────へ?)
部屋が変わってる!───いつの間にか大部屋から、この個室に移されたようだ。
「一くん、あたし、どうした?」
「あんたが、酔いつぶれてしまったから」
だから、ここへ連れてきてくれたんだろうか。
でも、一くんは、どこか歯切れが悪い。
視線もそらせがちだ。
「一くん、あたし、なんか変なことしてた?」
「いや、俺は何もしていない!」
速攻返事が返ってきた。
「────、そら分かってるって。あたしが、なんか変なことした?
例えば、一くんに迫ったりとか、脱ぎ出したり、とか」
それを聞いた一くんの顔が真赤になった。
「───見たん?」
「そ、それは………」
「見たん、あたしのハダカ」
今度はあたしが赤面する番だった。
一体、どこまで脱いだのだろう。
昨日は、ノーブラノーパン(いや、下帯はしてるけど)で出てきた。
全裸になったということは、今着てるこの着物と袴は一体誰が───?