賽は投げられた
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藤堂は、二人の遊女に介抱されて酔いつぶれていた。
(お前が酔い潰れてどうするんだ………)
斎藤は苦い顔で近づいて、肩を叩いた。
「平助。おい、平助!」
すわった目で斎藤を見返した藤堂は、呂律の回らない舌で言った。
「おう?」
「お前、のぞみを見ていられるのか?」
平助は定まらない視線でのぞみを見ながら、「おぅう、任しとけぇ」ぷらぷらと手を振っているが、どうみても任してはおけない状態だ。
永倉に脅されて震えあがった山野に代わって、楠がのぞみを介抱していた。
「こいつの面倒は俺がみるゆえ、お主は仲間と飲んでおれ」
楠が辺りを見ると、傍にいた原田の姿が無い。
他の幹部も遊女たちと床に入ってしまったのか、広間に姿が無かった。
「はい、では、のぞみ殿をお願いいたします」
「お主に頼まれるまでもない。下がれ」
楠が、若い隊士たちの輪の中へ入っていくのを見届けてから斎藤はのぞみを抱えあげた。
(そういえば、以前、こいつが軽いか重いかで口論になったことがあったが………)
(一体、これのどこが重たいんだ)
永倉の隣に部屋を取り、永倉が部屋を抜け出さないよう、監視するのが今宵の斎藤の任務だ。
斎藤は、のぞみを抱えて部屋に向かった。