賽は投げられた
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「さあさあ、そんな話は酒が不味くなるだけです。
もっと、楽しい話をしましょう」
山野さんがお酒を進めてくれる。
「汚れ仕事は我々の任務です。
のぞみ殿のような、お綺麗な女子が知らなくていいことですよ」
「───、またまたぁ!」
注いでもらったお酒をぐいと飲み干す。
「本当ですよ。花街におられたときは、引く手あまただったでしょう?」
「ないない!」
山野さんはやんわりと笑む。
「男の恰好などおやめになって、太夫のようにきれいな晴着をお召しになればよろしいのに」
「たゆう?」
「ほら、土方先生の横の───」
あいかわらず土方さんにべったりの女を見た。
髪に沢山さされた簪がいかにも重たそうだ。
「たゆう、っていうんですか?」
「多分、あの方はそうですよ。最高位の遊女です」
「ふうん、」
「一晩買うのに、私の給金がいっぺんに無くなってしまうほどだと聞いています」
馬越くんが頬を赤らめた。
「へーえ、」
「売れっ子の遊女を落籍せて娶るのは、男の甲斐性なんですよ」
馬越くんは、うらやましそうに言った。
(へーえ、遊女を嫁にするのがねぇ……)
「のぞみ殿も、足抜けなどなさらねば、太夫になられたでしょうに」
「太夫ってすごいんですよ!
歌も踊りも三味線も、何もかも一流じゃないとなれないんです」
【エロおやじ、白粉臭いとののしられ】
いつだったか、紙に書きつけた句を思い出して、あたしは苦笑いした。