賽は投げられた
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山野さんがうなずく。
「稽古をつけてくださるときは滅法厳しいが、普段は冗談ばかり言っておられる面白いお方だ」
「へえー」と馬越くんも目を丸くした。可愛い。
その可愛らしい顔を、今度はあたしに向けてきた。
「土方先生はどうなんです?」
「──え?」
「土方先生も、ああ見えて実は楽しいお人だったりするのですか?」
「こら、馬越!失礼だろう?」と楠くんが小声で注意した。
あたしは笑いながら、「ええよ、ええよ」と顔を引き攣らせた馬越くんの肩を叩いた。
「土方さんは──」
ああ見えて、結構気さくで面白い人やで──と、言おうとして土方さんの方を見た。
綺麗な恰好のおねぇさんが、しな垂れかかっている。
(ははぁ、そういうことか)
例の【休憩所持たはったらええですやん事件】の相手はきっとあの人なんだろう。
身請けするのに相当お金がかかりそうなのが、あたしにも見て分かる。
身請けどころか、ここへ通ってくるだけでも相当お金がかかっているに違いない。
(くず切りくらいで喜んでたあたしがアホやった)
(ここに一回来るお金で、くず切り何回、大福何個買(こ)うて来れると思てんねん)
(──ふんっ)
「のぞみ殿?」
山野さんに顔を覗き込まれて、あたしは言った。