賽は投げられた
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「──え、ああ、聞いたことあるな。
ええと、まず山野だろ、それから馬詰、馬越、【馬】が続きやがるな。
それから、決まってるだろう──小十さ」
「あと一人は……?」
聞きかけて、あたしは言葉をひっこめた。
この間、台所で聞きかじった佐々木愛次郎だったと思い出したからだ。
「あと一人は誰だったっけーかなぁ」
「左之さんも男前やのにね」
左之さんは苦笑する。
この時代にも彫りの深い顔があったんや、と感心するような男前だ。
「俺は、美男、ってぇ面じゃあねぇだろう」
「あ、なるほど。平ちゃんも美少年ぽいのになぁ?」
振り向くと、平助くんがムッツリと座っている。
「なに怒ってんのん?」
「べぇつにぃっ」
「──あ、ヤキモチ焼いてるんや」
「なんだよ、俺には女とべたべたするなとか言っといて、自分だって若い男にべたべたしてんじゃねーかよ」
「はいはい、機嫌直して?──な?」
タイミング良く仲居さんが持ってきたお銚子を一本手に取って、「ほら、飲みよし」と平助くんに突き出す。
「しゃーねぇなぁ」
くい、と飲み干した平助くんの肩をぽんぽんと叩いた。
すぐに機嫌を直して、平助くんはあたしの隣に陣取った。
左之さんも早速手酌で始めている。
「小十に注いでやってくれよ」
「ええのん?──何才?」
いくら江戸時代とはいえ、あまり小さい子に飲ませるのは成長によくないだろう。
「はい、十七です」
「あ、17?!──なんや、15才くらいか思た」
「よく言われます」と楠くんは照れた。