賽は投げられた
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茶を淹れてこい、と土方さんに言われて台所に向かっていると、向かいから芹沢さんが歩いてきた。
「おう、」とにこやかに手をあげてくる。
「どうも、」あたしはにっこり返した。
「最近、急に涼しくなってきたが、息災にしておるか」
例の熱中症以来、芹沢さんは何かとあたしの身体のことを気にかけてくれるのだ。
「はい、お気遣いありがとうございます」
あたしは、ぺこりと頭を下げる。
「今夜はお主も参るのか」
「あ、はい。
一応、呼んでもらえたんで」
そうか、と言って、芹沢さんは包み込むようにあたしの肩を抱いた。
そして、とびきりの秘密を打ち明けるように耳打ちする。
「いい酒をたんと飲んでおけよ。ここでは飲めんからな」
指であたしの顎をくすぐると、芹沢さんは豪快に笑った。
そういえば、最近、新見さんという人を見かけない。
今日はせっかくの宴会の日なのに、大阪へ出張にでも行ってるのだろうか。
夕方になって、見廻りから帰ってきた平助くんが声を掛けてきた。
「のぞみ、そろそろ行こうぜ」
用事をとっくに済ませて待っていたあたしは、待ってましたとばかりに腰をあげた。
「良かったな、今日は連れて行ってもらえて」
「うん、また置いてって、ややこしいことになるほうが面倒臭いってだけみたいやけど」
「なるほど、」と平助くんは苦笑した。