賽は投げられた
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「いやいや、楽しそうな声が聞こえてきたのでな。覗いてみただけだ」
土方さんは思い切り顔をしかめる。
「ところで、」近藤さんはあたしに向かって言った。
「今夜の宴会のことは聞いているかね?」
それは、例の【八月十八日の政変】で活躍した浪士組……もとい新選組に賞金が出たとかで、みんなで島原で慰労会を開こうというものだった。
「はい、聞いてますけど──、
今日は、あたしも行ってええんですか?」
「もちろん構わないとも、なあトシ」
「ああ、また変なのに捕まっても面倒臭ぇしな」
芹沢さんのことを言っているのである。
「その人も来はるんですよね、もちろん」
「もちろんだとも」
近藤さんはにこにこする。
「また、階段とか壊さはったらどうするんですぅ?」
近藤さんは、ちら、と土方さんを見た。
「ま、そうなりゃあ、そうなった時だ。
角屋には申し訳ないが」
「ひっどー、角屋さん、なんも悪いことしたぁらへんのに踏んだり蹴ったりやないですか」
「まあまあ、」
近藤さんが、あたしの肩を抱く。
「のぞみ君が心配することではないから、存分に楽しみなさい」
にっこり笑って、去っていく。
その後ろ姿を見詰めながら、あたしは土方さんに訊いた。
「近藤さんのお妾さんて、いくつの人でしたっけ」
「たしか、お前ぇくれぇじゃなかったかな」
「きも、」
「──は?」
「いえ、なんでもないです。こっちの話」