Happy Birthday!
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「いってらっしゃい、じゃねぇよ。
お前ぇも一緒について来いって言ってんだよ、馬鹿野郎」
(──へ?)
「──、あ、そうなんですか?!」
「そうなんですか、じゃねぇよ。
なんで、いちいちそこまで説明しなきゃならねぇんだ。察しろよ、馬鹿」
「あのねぇ、……」
あたしはため息をつく。
「以心伝心とかできるほど、あたし敏感じゃないんで。
はっきり言うてください、言葉で」
土方さんは、ちらりと横目であたしを見る。
(な、なんやねん……!)
「出かけるまで、甘いもん食うんじゃねぇぞ」
「──へ?」
予想外の言葉が土方さんの口から出た。
「甘いもん食いに連れてってやる。
だから、つまみ食いするんじゃねぇぞ」
信じられない気持ちであたしは言った。
「──え、覚えててくれたはったんです?」
「──は?」
「ほら、だって、こないだ、【誕生日なんで甘いもんでも食べに連れてってくださいよ~】って、あたしが言うたからですか?」
「…………、何の話だ」
とぼけているけど、ドギマギしているのが丸分かりだ。
「えー、絶対そうでしょ? うっそー、信じられへん!
覚えててくれはったんですかぁ?!」
あまりの意外さに「あっははは、」と思わず笑ってしまった。
「──ば、馬鹿! いちいちお前ぇの言ったことなんざ覚えてねぇよ。
ちょっと疲れがたまってるから甘いもんが食いてぇってだけだ。
男一人で甘味処に入ぇるのは恰好悪ぃだろうが」
(覚えててくれたんや、)
あたしは苦笑する。
だって、耳が赤くなってる。
「──てか、あたし連れてったら、男二人で甘味処に入ることになりますけど、それはええんです?」
「うるせぇ、さっさと膳を下げてこい!」
くすくす笑いながら、あたしは返事した。
「はいはい、」
「【はい】は一回でいい!」
「はーい!」
Happy Birthday/終