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障子には影が二つあった。
一人は新見、もう一人は芸妓だろう。
新見錦は、芹沢の片腕で水戸以来の子分である。
剣は、神道無念流免許。腕は立つ。
「誰だ」
障子越しに声が掛かった。
「私ですよ」
土方は、鐺(こじり)ですっと障子を開けた。
「──土方くんか」
新見は眉を寄せた。
普段、親しくもない土方が、何故ここへやってきたのかを不審に思っているようだ。
「新見先生、御酒興をさまたげるようですが、邦家のため、ご決断を乞いにきました」
「決断を?」
「そうです」
「私に?」
「無論」
「土方くん、君は副長職だ。少し慌ててはいまいか。
新選組には局長職をとる者が三人いる。
芹沢先生、近藤くん、それに私。
軽微な用なら、いずれの局長に相談してもらっても構わない。
わざわざ、こういう場所へ来なくともよいではないか」
「いや、右御両方には相談済みです」
半ば嘘である。
しかし、今頃屯所では、近藤が山南、藤堂と共に芹沢と談判しているはずだ。
だから、芹沢へ相談済みというのはまったくの嘘ではない。
「とにかく、」
土方は静かに視線を定めて続ける。
「この件は、新選組局長であるお三方の了承が要ります」
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