Move Out!
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「そうじゃなくて、病とか、大丈夫です?」
「病ねぇ、」
そう訊いたのは、頭のどこかに【沖田総司】【結核】【早世】という言葉が残っていたからだ。
土方さんは腕を組んで、「うーん、」と空を見上げた。
そして、あたしを見て苦笑する。
「あいつは女遊びもしねぇし、変な病は持ってねぇだろうよ」
「そういうんとちごて、」
「そういうんじゃなきゃあ、一体なんなんだ」
少しいらついたように土方さんは言った。
「労咳です」
土方さんからの返事は、一拍おいたあとだった。
「──何だって?」
考えてみれば、咳をしているのを見たことはない。
いつだって元気そうだ。
土方さんが「それはねぇ」と否定しれくれれば、「やっぱり記憶違いか」と忘れてしまえる程度のことだ。
「……、いえ、やっぱり、そんなことないですよね。
総司くん、憎たらしいくらい元気やし。
憎まれっ子世にはばかるって言いますしね」
歩き始めたあたしの肩を、土方さんが掴んだ。
「少しでもおかしいと思ったら、すぐに俺に教えてくれ」
見上げたその顔は、今までに見たどんな顔よりも怖かった。
「いいな、」
「──は、はい」
土方さんが、あたしの肩を叩いた。
「俺は四六時中気に掛けてられねぇ」
「……は、はい」
記憶違いに違いない。
「総司のこと、頼んだぞ」
何か他の話と混同しているだけに違いない。
「はい……」
総司くんが死んじゃうなんて、嫌だ──。
Move out!/終