Move Out!
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
茫然と人の群れを見ていると、静かなうちにその群れが動き出した――【出陣】だ。
最初に出てきたのが芹沢と近藤さん。
二人とも烏帽子をかぶっていて、ちょっと時代錯誤な感じがした。
近藤さんは、あたしに気付きもせずに行ってしまう。
その次に出てきたのが、土方さんだった。
ヘルメットのようなものを目深にかぶっていたが、ちらりとこちらに目を向けると、少し唇の端を引き上げた。
槍を持った左之さんと島田さん。
左之さんが、「よ、」と手をあげていく。
新八さんも、「行ってくるぜぃっ」と手を振った。
一くんは、ちら、とこちらに視線を向けたがすぐに前を向いて歩いていく。
そんな中、「のぞみー!」と平助くんが駆け出してきた。
ぎゅうっとあたしを抱きしめて、頬ずりする。
張りつめていたものが弾けて、ぽろぽろ、と涙が零れた。
それに気付いたのか、頬を離して指で涙をぬぐってくれる。
「ははっ、何泣いてんだよ。嬉し泣きか?」
「あほうっ!」
平助くんの胸を突き飛ばす。
笑いながら、平助くんはもう一度あたしを腕の中におさめた。
「帰ったら、土産話たくさん聞かせてやるからな」
うんうん、とうなずくあたしの背をとんとんと叩いてから腕を緩めた。
離れていこうとする平助くんの顔を、あたしは両手でつかんだ。
「平ちゃん、顔にケガしたらあかんで」
平助くんの額に、あたしの額をくっつける。
鼻の先がくっつきそうになって、慌ててあたしは顔を離した。
「じゃな、大人しく待ってろよ」
羽織を翻して、平助くんは駆けて行った。
その間に、総司くんを見過ごしてしまった。
Move out!<2>/終