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ぎし、──縁側の床板が軋む。
最近は夜はぐっと冷え込むようになったから障子を閉めてある。
だから、誰が通ったのかは分からない。
(総司くんかな……)
まだ薄暗い間から、隣の部屋から衣擦れの音が聞こえていた。
あたしは着物を着ると、手拭いをつかんだ。
す、と障子を引き開けて、きょろきょろと縁側を偵察──誰もいない。
隠れる必要もないし、全然隠れてないけど、なんとなく障子に背をあてて、抜き足差し足で総司くんの部屋へと進んだ。
障子は開いている。
(やっぱり総司くんやったんかな、さっきの)
そっと部屋を覗くと、──。
「──わっっ、」
そこに総司くんがいた。
水色の隊服の上に黄色のたすきをかけ、足元は脚絆をつけているので普段の恰好とは少しちがうが、この後ろ姿は総司くんだ。
四つん這いになって、行李のふたを開けようとしている。
「何してんのん……」
呆れて訊くと、総司くんは身体をよじってあたしを見た。
額に巻かれた鉢金に、心臓が嫌な音を立てた。
「──ああ、丁度良かった。これ開けてくんない?」
総司くんはあたしの心情などお構いなしと言った感じで、いつもの調子で言ってきた。
「──はい、はい、」
「【はい】は一度でいいって、いつも土方さんに言われてない?」
「あんた土方さんちゃうやん。
そもそも、なんで自分で開けへんのんよ。変な恰好でいるけど」
「ほら、これ見てよ」
総司くんは自分の足を指さす。
「草鞋(わらじ)、着けちゃったからさ」
「脱いだらええやん、脱いだら!」
「だって、面倒臭いし」