Move Out!
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ええっ、マジでぇ?!
あたし、適当に言うただけなんやけど!」
平助くんは困ったような表情になり唇を尖らせる。
「なんだよ、カマかけるなよぅ」
「引っかかるもんが悪いんやん!」
あたしだって、ほんの冗談のつもりだったのに。
動揺が隠せない。
平助くんは渋い顔であたしを見たが、気を取り直したように顔を寄せてきた。
「あのさ、明日、いよいよ出陣らしんだよ。
くっ、くっ、くっ」
どうやら嬉しくてたまらず、笑いが漏れているようだ。
「出陣、てなんなん(何なの)。戦でも始まるん?」
(いやいや、そんな話聞いてないぞ)
(だって、徳川の時代は天下泰平)
(三百年、平和なはずやろ?!)
「まあ、ひょっとすると、そうなるかもな」
平助くんは、また嬉しそうに言う。
「何がそんな嬉しいん?」
「何って、そりゃあそうだろう。
俺たちゃ何も、京見物に上ってきたわけじゃねぇんだぜ」
立身出世の絶好のチャンスという訳だ。
だから、新八さんも左之さんもどこか殺気立った様子でウロウロしていたのだ。
あたしは平助くんの腕から抜け出して、足早に土方さんの部屋に向かった。
(嘘やろ、戦争なんか──)
(マジで、そんな話、聞いてないって!)
「ちょ──」
ちょっと──と部屋に乗り込もうとしたら、土方さんは相変わらず文机に向かって座っていて拍子抜けした。