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土方さんの部屋の前には、先程あたしの前を進んで行った隊士が畏まって額を床につけていた。
こういう時、なんだか変な感覚にとらわれる。
【近所のヤンキーなおにいさん】みたいな土方さんは、意外と偉い人なんだな──と再認識させられるからかもしれない。
隊士は立ち上がると、こちらに向かってまた見事なすり足でやって来て軽く会釈していく。
「あ、お疲れさまでーす!」
そう声を掛けたが、無反応に去って行った。
「ばいばーい」
片足立ちになってお膳を右腿にのせて左手で抱え、右手を振っていると、
「何やってんだ、お前ぇは」
呆れたような声が背中にかかった。
「土方さんにぺこぺこさせられて気の毒やったから、お見送りしてたんです。【バイバーイ】って」
身体をねじって後ろを向いて、あたしは答えた。
手はまだバイバイしたまま。
「ぺこぺこってなぁ……」
ムッとして土方さんは言った。
「あ、──そんなことより、ご飯要ります?」
土方さんは更に顔をしかめた。
「何だ、その言いぐさは」
「なんか、急用みたいやったし。それに羽織着たはるとこみると、もしかしたらご飯いらんようになったんかなぁって」
「あー、」と言って顎を撫でて、「すまん、そうだな」と苦笑いした。
「忙しいんは、ええことなんかもしれませんけど、ちゃんとしたもん食べんとあきませんよ?
毎晩毎晩、贅沢なもんばっかり食べてたら、それはそれで何とかっていう病気になるって聞いたことありますし──」