お相撲さんがやってきた!
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「昼間はのぞみちゃんがいた手前言えなかったんだが──」
そう前置きをして、永倉は始めた。
「壬生寺で、俺が呼ばれた理由だがな」
「芹沢たちの悪行を知らされたわけだろう?」
島田が答えた。
「そうだけどよ、つまり、俺の口から近藤さんや土方さんの気持ちを伝えて欲しいってぇことなんだ」
「近藤さんと土方さんの気持ちって?」
藤堂が言った。
いつも涼し気な小さな顔に、今は汗が滲んでいる。
「要するに、試衛館派の者は生き残りを賭けた多数派工作を始めるってことだよ」
「なるほどね、」
藤堂は、やっぱりといった体で答えた。
「──てことはさぁ、」
昼間言いかけて飲み込んだ言葉を、今度こそ藤堂は口にした。
「すでに何か考えがあるのかな、土方さんには」
【何か】が【粛清】を意味していることは皆承知している。
重苦しい空気が下りた。
すると島田が、
「しかし、新さんは、芹沢殿とも親しくしていただろう?」
永倉は芹沢と同じ神道無念流。
流派とは思想と同義語のようなものだ。
後に、近藤や土方とともに天然理心流を学んだとはいえ、やはり永倉の根底にあるのは神道無念流であろうと島田は考えたのだ。
「そうなんだよなぁ」
少し困ったように永倉は苦笑いした。
お相撲さんがやってきた!/終