お相撲さんがやってきた!
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「いっぱしの商人みたいですね」
あたしは腕組みでふむふむとうなずいた。
「でもさぁ、それって武士としてどうなんです?
格好悪くないんですか?」
「それなんだよ」と、新八さんは膝を打った。
「のぞみちゃん、なかなか話がわかるじゃねぇか」
「えへへ、あたし、一応武士の末裔なんで」
「そうなんだ」
意外、という風に平助くんが目を見開いた。
母は幕末の歴史オタクで、自身が武士の家系だということを誇りに思っている。
結構お偉いさんの家系だと聞いたことがあるから、そこを頼ればなんとかなるのかもしれない。
でも、確か東北地方だった気がするし、それにいきなり「あなたの子孫です」と訴えたところで、「曲者じゃ、出あえ!!」とひっ捕らえられるに違いない。
新八さんも、「へぇ~」という顔つきであたしを見ていたが、にやりと笑った。
「じゃあ、俺たち五人は全員が武家の出ってことか。
なら、話が早ぇや」
何やら、一種の連帯感のようなものが新八さんの中に生まれたようだった。
「のぞみちゃんが言うように、芹沢ら水戸系の連中の目には、この相撲興行が【武士にあるまじきふるまい】と映ったらしいんだ。
大坂相撲と和解するのは、それで構やしねぇ。
だが、その相撲取りどもの裸商売のカスリで懐を潤すなど尽忠報国の士のすることか、と土方さんに怒鳴りつけたこともあったそうだ」
土方さんが怒鳴りつけられている光景が想像できないけど、あんまり見たくないなと思った。
「ははん、だから芹沢たち壬生寺に現れないのか」
平助くんが、なるほど、と腕を組んだ。
「確かに、相撲で一儲けなんかちょっとセコイ感じするけど、ほんなら恐喝して巻き上げるんはええんですか?」