お相撲さんがやってきた!
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「──え、一くん何か言われた?」
一くんは、首を横に振る。
「いや、俺は何も言われていないが」
「そら一くんは言われへんて、愛想無いもん」
一くんがムッとして言う。
「愛想が悪いのでなはい。
武士はたしなみとして、人前でにこにこ笑ったりしないものなのだ」
「──へーえ、そうなん?」
「そうだ」
偉そうに言う一くんにあたしは噴き出して、平助くんにも言った。
「平ちゃん、行かんでええのん?」
「……、うーん」
「あ、でも土方さん【平助に連れてってもらえ】て言うたはったし、やっぱり平ちゃんも用無しなんかも」
平ちゃんは、じろりとあたしを見て唇を尖らせる。
拗ねた顔も可愛らしい。
「人を能無しみたいに言うなよ」
「そんなん言うてへん。
平ちゃん、見栄えするから接客にぴったりやのになぁ。
人選ミスやね」
すると、すぐににっこりしてあたしの肩に腕を回してきた。
「だろう?でも、俺はのぞみと一緒の方がいいや。
接客とか面倒くせぇし」
「それにしても、一番不愛想な土方さんに接客なんかできるんかな」
その問いには、あたしの手を引きながら平助くんが答えてくれた。
「あの人、ああ見えて若い頃は呉服屋に奉公に上がってたっていうからな。
薬売りの行商だってやってたし、客商売は上手いはずだよ」
「へーえ、意外!」
普段【鬼の副長】と呼ばれている仏頂面からは想像もつかない経歴だ。
「この興行だって、土方さんの案だと思うぜぇ。【一儲け】できるってことで」
「商根たくましーー!」
「まあ、会津家のお預かりになってから、前ほど貧乏はしていないけど、
まだまだ余裕はないから仕方ないんじゃない」
「ふうーん、……」
あたしはもう一度土方さんを見た。
(笑ろてる……、気持ち悪っ!)