Missing Without A Trace
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ずっと黙りこくっていた土方さんが、「よう、」と声を掛けてきた。
「【もう戻らねぇ】って時が来てもよォ」
どくん、とあたしの心臓が大きな音を立てた。
もう戻らない──もう戻れない、その時が来たら。
その時、あたしはどこへ向かうのだろう。
元の世界か、それとも──。
「一声ぐれぇ掛けてから出て行けよ」
どんな顔してるのか見えないが、少し寂しそうに感じるのは虫が良すぎるだろうか。
あたしは、息を吸い込んで、明るく言い返した。
「もちろん、そうしますて!
なんちゅうても、みんなから餞別もらわんとアカンし」
「馬鹿」
土方さんは笑い含みに言った。
あたしがここを出ることは無いだろう。
偶然また道に迷い込まない限り──。
土方さんの頬を見下ろしながら、あたしは笑みを浮かべた。
「ところで、」
急に土方さんは声色を厳しくした。
「──は、はい」
なんか、嵐の前の静けさの感じがする。
「お前ぇ、縁側で寝転んだのは自分の落ち度だったって言ったよな?」
「──は、はい、」
(ほらきた……!)
土方さんは、ちらと流し目であたしを見ると、ニヤリと笑った。