Missing Without A Trace
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(なんで総司くんやねん──)
恐ろしい顔付きで部屋に一番乗りしてきたのは、総司くんだったという。
まあ、それはたまたま一番部屋に近い位置にいたからだろう。
(ま、総司くんには菊ちゃんがいるしな!)
あたしは、はぁ~、とため息をつきながら縁側を歩いた。
手には膳を持っている。
土方さんは部屋で食べるそうだ、と左之さんに言われて運んでいる。
(あ~、なんか顔合わせるん嫌やなぁ……)
最近仲良くできてただけに、かなり気まずい。
それとも、【仲良し】と思っていたのは、単にあたしの思い過ごしだったのか──。
部屋の近くまでやってくると、土方さんの背中が見えた。
相変わらず机に向かって何か書いているらしい。
もう一度謝るべきだろうか。
(でも、くどくど謝ってもかえって怒られそうな気もするし……)
足を止めて考えていると、土方さんが首を回して、ごきごきっと音を鳴らした。
勇気を出して、あたしは背中に声を掛けた。
「──肩、揉みましょか?」
「…………」
痛いほどの沈黙に耐えて、あたしはそっとお膳を畳の上に置いた。
「ごはん、ここに置いときますね」
(もう、クチきかへんつもりなんかなぁ……)
背中を見下ろしながら、ぼんやりと思う。
ちょっと哀しい気持ちになりながら回れ右した。