Missing Without A Trace
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そうは言っても、「ほな、」と寝てしまうのもやはり申し訳ない。
「──あ、そうや。音楽聴く?」
あたしは起き上がって、バッグからスマホを取り出した。
電源を入れると、総司くんの顔が明るく照らし出される。
「これ……、」
「うん」
「失くしたものは見つかったの?」
「うん、無くなってもまた満タンにできるねん、バッテリー」
【ばってら】と土方さんが言っていたのを思い出して、あたしは微笑んだ。
「ほら、こうやって……」
小さめのボリュームで曲を鳴らし、片方のイヤホンを総司くんの右耳にそっとつけた。
「────!」
びく、と総司くんは肩を揺らし、
「なに、これ?!」
驚きの声をあげた。
「歌、わかる?」
「唄はわかるけど、けど、こんな──」
静かな曲ばかりを集めてあるプレイリストを選んだから、そんなにびっくりはしないと思ったけど、それでもやはり衝撃的だったようだ。
使い方を教えてスマホを渡す。
カメラの時と同様、総司くんはすぐに要領を得た。
「おやすみ」
総司くんは言って、障子が開け放してある縁側に腰掛けた。
「ここにいるから、具合悪くなったら遠慮しないで言いなよ」
「うん、……ありがとう」
隣で、平助くんが何か言いながら寝返りを打つ。
「ありがと、平ちゃん」
ありがとう──あたしは、目をつむった。