Missing Without A Trace
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総司くんの足音が聞こえなくなって、あたしは掛布団を頭の上までかぶって丸くなった。
(──え、なんもなかったん?)
(無事やったん、あたし……)
冷静になってみると、下半身に違和感はない。
ごそごそ浴衣の中に手を突っ込んで、自分自身に触れてみたが異常はなさそうだ。
(無事やったんかな……)
ほっとしたのと同時にまた涙がこぼれた。
声が漏れそうになるのを、浴衣の袖できつく押さえる。
(よかった……)
(よかったよう……)
戻ってくる総司くんに泣いていたとバレないように、目をごしごしと擦った。
多分、鼻が赤くなってるだろうけど、幸いこっちには蛍光灯がない。
きっと薄暗がりの中では分からないだろう。
すっかり呼吸が整ったころ、総司くんがまた桶を抱えて戻ってきた。
そして、おもむろにあたしの額に手を当てる。
「少しマシになったかな」
手ぬぐいを、水で絞り直すと、
「ほら、寝なよ」
優しく言われて、あたしは身体を横たえた。
額にのせてくれた手ぬぐいが冷たくて気持ちいい。
「気持ちいい」
「まだ、熱があるんじゃない?
後でまた換えてあげるから、君は僕のことなんか気にしないで寝たらいいよ」
その言い方に、あたしは小さく笑った。