Missing Without A Trace
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腕に何か大きなものを抱えている。
沖田は、方々捜して見つからなかったのぞみを腕に抱えていた。
「そいつは、……一体、どこで見つけてきた」
「芹沢だよ!」
原田が怒鳴る。
(逃げたんじゃなかったのか……?)
土方は目を見開いた。
だらりと垂れ下がった帯が、着崩れた着物のせいで見えそうになっている肩が、芹沢の部屋で何が行われていたかを物語っていた。
先日、佐々木愛次郎という新選組きっての美男剣士が惨殺されるという事件が起こった。
佐々木と懇ろになっていた【あぐり】という美しい町娘に目を付けた芹沢が、自分の妾にしようと企てたのだったが、結局は佐々木も女も殺された。
そう考えると、命を取られなかっただけまだましと言えるかもしれないが、若い女が男の部屋に連れ込まれて何事も起こらぬはずがない。
「そうなのか、総司」
信じたくない気持ちで訊ねる。
「うん」
「こうなりゃ仇を討ってやるしかねぇだろうよ」
原田は今にも抜刀しそうな勢いだ。
藤堂など、すでに下緒を解いて、たすき掛けにしている。
「行こうぜ、左之さん!」
「止めるなよ、土方さん。
どうせ、あんただって業を煮やしてるんだろ。いい機会じゃねぇか」
「ちょっとお、誰でもいーから、早く蒲団を敷いてってば!」
苛立った沖田の声に原田が怒鳴った。
「平助!さっさと蒲団を敷いてやれ!」
「左之さんも、斬り込みに行く暇があったら水を汲んできて」
「なんだと!?」
この期に及んで何を悠長な──と、沖田を睨みつけた。
「熱があるみたい。すごく身体が熱いよ」
土方が足早に近付いて、のぞみの頬に触れた。
振り返ると、同じことを繰り返した。
「左之助、水を汲んでこい」
原田は、ぎり、と奥歯を噛み締めて「ええい、」と吐き捨てた。