Missing Without A Trace
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以前、土州の男と話していたことがあった。
河原町三条を少し南下したところの甘味処。
鴨川のすぐ近くだ。
あの時も、知らぬ間に背後からいなくなっていた。
【土方さんの歩くのが速すぎる】
そう言っていたが、もしもそれが故意だったとすれば──?
故意にはぐれて、同志と落ち合っていたのだとすれば──?
「ずっと俺たちと一緒にいたさ。
屯所に帰ってくるまで」
「──そもそも、鴨川へ行こうというのは、誰が言い出した?」
三人は顔を見合わせる。
「のぞみ……だけど、」
嫌な予感が当たったと土方は舌打ちした。
「誰かあいつに接触して来なかったか。
男でも女でも」
「何が言いたいんだ、土方さん」
原田が鬱陶しそうに言った。
そこで、土方は以前河原町三条でのぞみが土州の男と一緒にいた事を話して聞かせた。
「そんじゃあ、何か?
のぞみちゃんが、間者だとでも言いてぇってのかよ土方さんは」
「その疑いもあると言っているまでだ」
「別におかしな素振りはなかったぜ」
永倉が不満げに言った。
「そうだよ、それにのぞみが間者とか、そんなわけねーじゃん!
何言ってんだよ、土方さん」
藤堂は唇を尖らせた。
土方は、背を向けて寝転がっている沖田の肩を足で小突いた。
「総司、山崎を呼んできてくれ」
「ええーー、なんで僕がぁ?」
「さっきから何も動いてねぇのはお前ぇだけだろうが」
「土方さんも、そこに座ってただけと思うけどぉ」
「いーから、さっさと山崎をつかまえてこい」
ぶつぶつ言いながら、沖田は腰を上げた。
「土方さん、山崎なんか呼んで、あんた何する気なんだ」
原田が心配そうに聞く。
「決まってるだろう。間者は見逃せねぇよ」
「のぞみだぞ……」
「男だろうと女だろうと関係ねぇ。それが、あいつでもな」
「トシさん……」
井上が顔をしかめた。
土方は立ち上がって、部屋を出た。