迷い込んだ路
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「お疲れ様です!暑いのに大変で──」
前を走っていた、多分【沖田総司】に扮する彼が自分が羽織っていた水色の羽織を脱ぐと、ひらりと翻して、あたしの身体をそれで包み込んだ。
「──あの、」
「大丈夫か?一体何があった」
これも、仮装アトラクションの一環なのだろうか?
もう一人の男性(こっちは誰の仮装なんだか分からない)は、あたしを背に庇って、周りを鋭い目つきで見回している。
噴き出しそうになるのを抑えて、あたしは成り行きを見守った。
(賊とか現れて、大立ち回りでも始まるのかな?)
しかし、誰も現れないのに少し失望しながら、あたしは再度声を掛けてみた。
「あの……」
二人は警戒(の演技)を解いて、あたしに向き直る。
「逃げたか」
「かもね」
演技はまだ続いているようだが、恐る恐る訊いてみる。
「あの、新選組ですよね」
誰の仮装だか分からない方が、小首をかしげるようにして、あたしを見下ろした。
(──あれ、違うんかな?)
そもそも、あたしは新選組と言っても、沖田総司と土方歳三くらいしか名前も知らない。
たしか、こんな装束だった気がするけど、確信はない。
「僕達は、ミブロウシ組なんだけど」
「みぶろうしぐみ?」
漢字に変換するなら、壬生浪士組──だろうか?
初めて耳にする言葉に、あたしは小首を傾げながら、
(あれ、新選組と違たっけ?)
(それか、コスプレサークルの名前とか?)
とにかく、そこはスルーすることにした。
(下手に訊いて、話が長なってもめんどくさいし)